
連載:社員インタビュー
第1話_大和真奈美さん(4課)
今週は、4課で活躍する大和さんのインタビュー記事を紹介します。女性ならではの視点で、日々のことから未来のことまで、語っていただきました。

手探りな日々
革と過ごして7年、それでもまだ満足のいく仕事はできない。毎日、4課に流れてくる革は、一つとして同じものはない。だから、どんなに経験を積んでも「あれ?あれ?」と、迷いの境地に入り込んでしまう。
やっても、やっても、わからない。知らないことばかり。出口のない、マニュアルもない、手探りな日々。革は生きているから。
毎日、200枚の革を扱っていても、例えばアイロンをかける度、その革に合った寄り添い方を探している。探しながら「あっ、これだ」と発見し、迷いから抜け出す。
でも、少し時間が経つと、「こうした方が良かったかな。いや、あーするべきだったかな」と後悔してみたり・・・
「迷い・発見・振り返り」の繰り返し。それ故、追求する楽しみがあるのかもしれない。
深いところに進みたくなる気持ち、
深いところから得る貴重な知識、
深いところを味わえる経験、
終わりが見えない世界だから、奥が深い。だから、牛たちの生きていた証、革を私はリスペクトしている。
自分の手が離れた後、少しでもその命を大切にしてもらえるよう、味わいのあるお化粧をしてあげたい。おおげさだけど、それが自分の使命かな。

連載:社員インタビュー
第2話_大和真奈美さん(4課)

いつからだろうか。柔らかい革のニーズが高いとか、トレンドが自然と目に入ってくるようになったのは。4課に流れてくる柔らかくて薄い革と向き合いながら、時代の流れを感じている。私もすっかり革業界の人間になったようだ。
ちなみに、長年仕上げに携わって綺麗だと感じるのは、厚みのある革。柔らかい革も、しぼしぼ感が可愛らしいけれど、栃木レザーの厚物は本当に美しい。
美しさでいうと、4課で色を吹く工程には、機械と手と2通りがある。機械で吹いた色もなめらかで綺麗ではあるものの、手吹きしたものには、なんともいえない味がある。
機械でやったものは均一だから平たく、手吹きは感覚的に吹くから凹凸がでる。その濃度に光があたると奥深い色が醸し出され、暖かみを感じる。
入社した頃は、玉田主任に教わって、色を調合し吹かせてもらっていた。鉄の容器に入った1キロほどのスプレーガンを身体に装着し、振り回しながら吹く。最終的には同じ色に辿り着くけれど、重ねていく過程は人それぞれ違う。こうやったらこう、とならないところが、これまでやったどんな仕事よりも難しかった。
ある時、お客様のいたがきさんが北海道フェアに出展すると聞きつけ、こっそり見に行ったことがある。商品を手に取り「これ、私が吹いた革かな」なんて思いながら、心を弾ませた。
体力の限界を感じて、違う工程に変わった今でも、あの学びと経験が、私の原点となっている。

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第3話_大和真奈美さん(4課)

遅澤社長がトップに立ってから、会社の雰囲気が少し変化したように思う。
色んな面がおしゃれになった。U字工事さんが来て撮影したり、建物の外観が綺麗になったり、ショップもセンスと個性で溢れている。
それをきっかけに、若い人は栃木レザーをかっこいい、この会社には未来がある、って感じるのでは。インタビューで語っていた山本さんのように、「職人」に憧れる若い人が存在するのなら、伝統だけではなく、そこに未来があれば必ず人は集まってくるはず。
4課を見渡すと、ここ数年ですごく風通しがよくなった。以前は、個人でやっているイメージが強かったのが、今はチームでの取り組み。そのチームワークも、一人ひとりの強みが発揮され、互いの弱みを補い合いながら、まとまりはじめている。私にはそう見える。
手の足りないところへ手伝いに行ったり、大変な状況になると、すっと誰かが入ってくれたり。昔なら考えられない光景が今、当たり前のようにある。
私はたまに、3課のバフという工程へ手伝いに入る。いつもと違う作業を見ながら、これをこうやっておくとこっちではこうやりやすくなるとか、自分の工程の前後を知れるので、すごく勉強になる。
例えば、3課で革を吊る作業も、下ろす時に背中が丸まってると、次の人はアイロンで伸ばしたりしなければならない。それを、おろした時にきちんと重ねて、真っ直ぐにするだけで、次の人は随分と楽になる。
前後を知れば、 自分のやるべきことがわかる。さらに、気遣いも生まれる。

連載:社員インタビュー
第4話_大和真奈美さん(4課)

「みんなが色んな工程を回れば、もっと生産性があがるのでは・・・」
そんなことをよく、考える。私自身、3課への手伝いをきっかけに、自分のやるべきことを理解できたから。
仕事をする上で全体の流れを把握するのは、とても大切なこと。自分の仕事だけに目を向けていると、全体の動きになかなか気づくことはできない。
次の工程の人が気持ちよく仕事をこなせるように配慮したり、やり易くするために工夫をしたり。小さな気遣いを積み重ねることで信頼関係は深まると思う。
栃木レザーは、自分の仕事しか見ない風潮が少し強い・・・そう感じることがある。自分の仕事への熱量はすごいかもしれないけれど、そこだけでものが完結するわけではないから。
若い人材が入ってきてくれている今こそ、全部の工程を経験してから配属を決めるとか、もっと柔軟に考えられるようになったらすごい。
みんながそうだったように、面接に来るのも勇気がいること。そんな人材をしっかり受け止めてあげることができれば、きっと未来も明るい!

8月30日Vol.109:配信
連載:社員インタビュー
第5話_大和真奈美さん(4課)

でも、ここは特殊な世界。革の重さに悩まされ苦労した。なんとか続けられたのは、清水さんの存在があったからこそ。4課は若い人が多く、みんな息子のよう。今は母のような気持ちで、頼もしく見守っている。
昔は、ギスギスしていた時期もあったと聞く。自分で言うのもなんだけど、女性は緩衝材のような役割を果たすから、同性同士よりも、雰囲気は穏やかになるのでは。
台車を押している時に遅澤社長が来たら、「社長、いいところに来た!待ってました!」ってお願いしちゃう(笑)。それを言えるのは女性の特権のようなもので、4課に4人いる女性たちのその空気感は時に場を和ませる。
そんなこんなで、あっという間に7年が過ぎ、定年まで頑張りたいと願う日々。先日、遅澤社長から「Tシャツのデザインをやってみない?」と宿題をもらい、初めて挑戦した。
Tシャツで仕事をしていると、汗でロゴマークが張り付くのがすごく嫌で、それを避けるために横腹のフロントからバックにかけてロゴを配置した。これなら汗をかいても大ダメージはないし、Tシャツのままスーパーに寄っても会社のロゴとはわからない。不快感をデザインで解決してみた。
これを考えていた週末は楽しかった。小井沼さんとの合作で完成したTシャツ、何故、自分だったのだろう。以前、革にラメをのせられないかな??と社長に持ちかけたことがあった。そんな変なこと考えるから、声がかかった??(笑)
一歩先を想像するのは面白い。そこにどうやって誘い込むか、社長は工場を歩きながらチャンスを探っているのかも。