
1月23日Vol.039:配信
連載:社員ンタビュー
(毎週火・水・木配信)
第1話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

相棒とともに
バイク、革ジャン、アメリカン。そんな男のロマンを追いかけていた時代があった。
バイクは風を切って走る。そしてエンジンの鼓動を感じながら進む。皮膚レベルで身体に張り付く革ジャンがたまらなくいい。その気持ち良さとは裏腹に、身体は自動車と違って無防備だ。だから革ジャンは自分を守るために、そして、バイクに乗る意識をビシっとさせてくれる相棒でもある。
バイク乗りは、いつも身につける財布やベルトなど革製品にこだわる。使い込むほど味が深まる相棒たち。自分もよく、好きな革で小物をつくっていた。
そんな時、栃木レザーの存在を知り、「地元にこんなすごい会社があるんだ」と、誇らしくなった。そして、縁があったのか、リーマンショックで仕事につけない自分をひろってくれたのも、栃木レザーだった。
製品を作っている会社だと思い行ってみると、そこは鞣しの工場だった。想像していたイメージとはまるで違い、初日のきつさは今でも忘れられない。明日、がんばれるかな。もう少し、がんばれるかなと、1日、1日をつないで16年が経った。
ふと気がつけば、革で人生を豊かにしてもらい、革に助けられていた。栃木レザーは自分にとって、特別な存在なのである。

1月24日Vol.040:配信
連載:社員ンタビュー
(毎週火・水・木配信)
第2話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

答えがない世界
職人気質の先輩たちに鍛えてもらいながら、2課で経験を積んできた。長いことやってきたなかで、こだわりたいこと、やってみたいこと、疑問に思うこと、色々ある。
例えば、時間を優先しなければならない時。生産量があがると、ともすれば流れ作業のようになってしまう。それだと数はこなせても、満足のいく仕上がりにならない。そんな時こそ、時間をかけるべきところをしっかり考えるべきだと思う。
自分がこだわりたいのは味とり。水分を含んだ革をいい塩梅で半乾きにするのだが、これがうまくいかないと品質に影響する。気温や風によって乾かす時間は変わるはず。それを見越しながら判断していかなければならない。
乾いてしまったら駄目。
乾かなすぎても駄目。
いい味ぐあいがある。
そこを見極めるのが現場の腕。
どれくらいの乾きがいいのか、職人にしかわからない勘と経験の世界。もっと乾かした方がいいかもしれないし、乾かさない方がいいかもしれない。
答えがないだけに、自分は正解を知りたい。

1月25日Vol.041:配信
連載:社員インタビュー
(毎週火・水・木配信)
第3話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

正解を見つけたい
1課から受け取った革を、セッターという機械にかけて革を伸ばすのが2課の仕事。2課だけではないが、勘と経験に頼りすぎているところをもっと、変えられないだろうか。
伸ばした革は乾燥すると縮む。だから、いい塩梅で味をとってセッターをかけるのが理想だ。でも、乾いていない状態で伸ばしたものと、乾いた状態で伸ばしたものと、一体、どっちが伸びているのか。確かなことは誰にもわからない。
職人の勘と経験を証明するためにも、水分量を計測して、科学的なデータをとってみたい。正確な数値が出ればしっかり分析もできる。工場にとって、アナログとデジタルの両方が必要だと思う。
何かを判断しようとする時、それまで経験してきたことをモノサシとして、比較したり想像したりして、「これだ」と判断する。それを数値化して全体を俯瞰できることができたら、もっと多くの人が、革づくりに携われるし、もっと革の価値を高めることに時間を使えるのでは。
そんなことを思う日々。

1月30日Vol.043:配信
連載:社員インタビュー
(毎週火・水・木配信)
第4話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

のめり込む楽しさ
一昔前、工場で廃棄される切れ端をゴミ箱をあさっては持ち帰り、小物づくりを楽しんでいた。キーケースやカードケース。大作は型紙から起こしてつくったバッグかな。金具も自分でデザインしてつくる。
以前、バイク好きをターゲットに革製品をつくって販売している会社に勤めていたことがあった。そこでものづくりを少し経験し、自分で道具も揃えた。ベルトやキーケースはもう、10年くらい使っている。歴史が染みこんだ経年変化が心地よい。
好きなものに出会うと、時間を忘れてしまうほどに深く没頭してしまう。革、その世界にのめりこんでいく。
「好きこそものの上手なれ」という諺があるけど、好きなことは楽しんで取り組めるし、努力や工夫をする。自分のものづくりはたいしたことはないけど、それを楽しめるようになることは大事な一つだと思う。
そんな革の世界、バイクの世界にどっぷりと浸かっていたはずが、5年前、それより好きなものに出会ってしまった。

1月31日Vol.044:配信
連載:社員インタビュー
(毎週火・水・木配信)
第5話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

人生は長いレース
毎晩、10キロを走り込む。仕事のあとのマラソンは、何故だかリフレッシュできる。あんなに好きだった革でのものづくりを忘れてしまうほど、マラソンに惹き付けられた。
きっかけは、5年前に参加した2キロの親子マラソン。目標タイムで2キロを走れるようになると、次は3キロという具合に距離を伸ばしていった。毎週末、5km、10kmの大会にエントリーして勝負をしている。
自分は体育会系だからレースが好き。はたから見れば、人と競い合っているように見えるのかもしれないが、本当は自分と戦っているのかもしれない。
短い距離のタイムを縮めて、ハーフマラソン、そしてフルマラソンへと、段階をふんで挑戦していきたい。そのためにも身体を目一杯絞りたいけど、重たい革を持つためにも、そこは仕事優先(笑)。
今はマラソンのとりこだけど、いつでもバイクに乗れるよう、愛車のハーレーダビッドソンはガレージでねむっている。そして相棒の革ジャンは、クローゼットの奥でひっそりと息をしずめている。

2月1日Vol.045:配信
連載:社員インタビュー
(毎週火・水・木配信)
第6話_小井沼 康良さん(2課 課長補佐)

世界のNogakeになる日を
「社内めぐり」の企画にあった1課の茂木さんの新商品開発プロジェクトのインタビュー記事を読んで、「栃木レザーといえばヌメ革でしょ」と、同じことを思った。
自分はLevi’sや、ハーレーなどヴィンテージが好き。老若男女から親しまれるLevi’sや、世界のライダーを魅了するハーレーなどには物語がある。
nogakeも世界から長年愛されるブランドになってほしい。50年後に「これ、初期のnogakeだぜ」みたいなことになったらすごい。
ビンテージのnogake。
みんなが取り合いするくらいのもの、
そんな存在になってほしい。
どうすれば、ずっと愛されるブランドになるのだろう。こういうこと、みんなで考えていかなければいけない。
人生山あり谷ありとは言うけれど、自分は谷ばかりだった。それでも仕事をやり続けてきたのは、栃木レザーにかすかな光が見えるから。ここは、自分の夢でもある場所。もっともっと化ける可能性があると今でも思ってる。谷の次に、山はくる。
これで終わらないぞ。
好きなものにのめり込むという小井沼さんだからこそ、革作りの工程にも常に「何故」がありました。これからは、その曖昧さを確からしさにする研究も必要なのかもしれません。そして遅澤社長はじめ、走る人が多い栃木レザー。いつか、マラソン部が発足することを期待しています!(編集部)
